市長からのメッセージ

神戸2020ビジョンは、2020年に向けて神戸が新たなステージに踏み出し、安定した成長軌道に乗せるために実現すべき目標と、その具体的な取組みを示しています。

「若者に選ばれるまち+誰もが活躍するまち」というテーマを設定し、神戸は未来を担う若者に選ばれるとともに、高齢者や障がい者、外国人の皆さん、誰もが安心して暮らし、活躍できるまちを目指します。

「若者に魅力的なしごとづくり」など6つの基本的方向を掲げ、神戸経済の活性化と雇用創出の積極的な推進、都市の魅力を高めるプロジェクトの展開、子育て、教育環境の充実、福祉を始め市民のくらしの安全・安心を守る取組みなど、神戸のまちとしての総合力を高める施策を盛り込んでいます。

この機にどうかご一読ください。この神戸2020ビジョンを進化させながら、スピード感をもって施策を展開してまいります。

平成28年3月 神戸市長 久元喜造

神戸市長 久本 喜造

神戸2020ビジョンのテーマ— 若者に選ばれるまち誰もが活躍するまち —

神戸市が、急激な人口減少を克服し、これからも賑わいのあるまちであり続けるためには、次代を担う20代から40代の若者に選ばれることが不可欠です。また、人口減少が進む中でも、未来に向けて、神戸市が多様で活力ある地域社会を維持し、魅力あふれる都市として発展するためには、誰もが活躍するまちづくりに取り組まなければなりません。神戸市は、若者が集まり、交わり、彼らの希望が実現できるための様々な取組みによって、神戸のまちを活性化し、全ての市民に施策の効果が波及していくことを目指します。

超高齢社会が現実のものとなる中、高齢者が健康に暮らせるとともに、神戸市に住み始める時点で若者だった世代が、歳を重ねても住み続けられるようなまちを実現します。

神戸2020ビジョンとは?— 本格的な人口減少社会の到来に備えて —

2025年度に向けた神戸の都市像、まちづくりの方向性を示した「新・神戸市基本構想」、「神戸づくりの指針」の実現を目指し、神戸市では5年ごとに実行計画を策定しています。今回の「神戸2020ビジョン」は、2015年度に終了する「神戸2015ビジョン」の後継として、2020年に向け、新たに策定する実行計画です。

神戸2015ビジョンを策定した2011年から現在まで、社会経済情勢は大きく変化しています。その中でも主な潮流として、人口構造の変化も含めた人口減少社会の到来、グローバル化と産業構造の変化、巨大地震などの災害リスクの高まりなどがあげられますが、喫緊の課題は人口減少社会の到来への対応です。

神戸市では、2012年に総人口が減少に転じ、高齢化も急速に進んでいます。とりわけ多様な地域を抱える神戸市では、それぞれの地域によって人の動きに大きな差が生じており、また大学卒業後の若者の流出傾向も顕著です。人口減少とそれに伴う高齢化は、市民の生活基盤である地域の社会・経済システムの維持・存続に大きな負の影響を及ぼす可能性があります。

今回の「神戸2020ビジョン」では、人口減少の克服とともに、まちの質や暮らしの質を高めていくための取組みを提示しています。

6つの基本的な考え— 施策の基本的方向として6つ柱を掲げます。 —

「若者に魅力的なしごとづくり」、「若者を惹きつける魅力づくり」、「若い世代の結婚・出産・子育て・教育を優先できる社会システムづくり」は、若者に選ばれることに重点を置いた施策・事業です。「次世代の将来を約束できる環境づくり」、「安心なくらしづくり」、「地域と地域の連携づくり」は、若者だけでなく高齢者、外国人、障がい者など誰もが活躍するまちづくりに重点を置いた施策・事業です。

「若者に選ばれるまち」を目指して

若者に魅力的なしごとづくり

神戸の未来を担う若者に神戸市が選ばれるためには、若者にとってやりがいのある魅力的な仕事を増やしていく必要があります。
神戸2020ビジョンでは、若者による新たな起業・創業や新事業創出支援の展開、質が高く魅力的な雇用の場を創出するための成長産業の企業誘致等の促進、次代の基幹産業の育成・振興などを通じて、若者が神戸で働きたいと思うような、多様で魅力的なしごとづくりに取り組みます。また、大学等の集積を活かし、人材の育成を図るための施策も推進します。

若者を惹きつける魅力づくり

若者を神戸に惹きつけるためには、文化・芸術・スポーツなどの都市としての魅力を磨くことも必要です。
神戸2020ビジョンでは、神戸の魅力を生み出し、伸ばす多面的で重層的な施策をデザイン都市・神戸の推進を通じて展開します。また、積極的で高質なプロモーションにより、神戸の多様な魅力を日本全国、世界に向けて発信し、国籍や世代を問わず、国内外から様々な人々が、神戸を訪れ、交流する取組みを進めます。さらに質の高い暮らしを体感できる移住・定住にかかる取組みを進めます。

若い世代の結婚・出産・子育て・教育を優先できる社会システムづくり

若者の結婚、出産、子育ての希望を叶えることが少子化の流れに歯止めをかける大きな鍵です。また、子育てや教育環境の充実は、まちの魅力にもつながります。
神戸2020ビジョンでは、結婚、出産の希望を神戸で実現し、安心して子育て、教育ができるように結婚・妊娠・出産・子育て・教育に切れ目ない支援、教育環境の充実、働き方改革の推進に取組みます。

「誰もが活躍するまち」を目指して

次世代の将来を約束できる環境づくり

人口減少社会の中で、超高齢化を迎え、今後もさらなる高齢化が避けられない状況を踏まえ、神戸市がこれからも豊かな多様性を保ち、持続可能な都市であり続けるためには、現世代にとどまらず、将来世代も含め全ての市民が神戸で安心して暮らしたいと思える環境づくりが不可欠です。
神戸2020ビジョンでは、公共交通網などの都市インフラの強化と、暮らしや健康に関わる支援を行い、次世代の将来を約束できる環境づくりを推進します。

安心なくらしづくり

人口減少社会の中で、地震や集中豪雨など自然災害のリスクの高まり、地域のつながりの希薄化による高齢者や障がい者の安心・安全な生活環境や犯罪被害への不安に対して、総合的な取組みを進めていく必要があります。
神戸2020ビジョンでは、価値観が多様化する中で、安心な暮らしの確保を前提として多様なすまいづくり、あらゆる災害に対して強靭な行政機能、地域社会づくり、高齢者や障がい者など誰もが地域で元気に活躍するための施策に取り組みます。

地域と地域の連携づくり

世帯の小規模化、単身世帯化が進む中で、地域課題の解決に向けた地域でのつながりの醸成、地域間の連携をさらに進める必要があります。また、人口減少が進む中で、周辺市町村や県とのさらなる緊密な連携やネットワークが重要性を増してきます。
神戸2020ビジョンでは、地域ごとの特性に合わせた施策の展開を図り、地域人材育成施策の体系化やコミュニティビジネスの促進など、地域コミュニティの持続的な活動を支援します。さらなる市民サービスの向上に向け、市民とつながる区役所改革を進めます。さらに、兵庫県との協調や周辺市町との連携に積極的に取り組み、圏域全体の発展を目指します。

2020年 神戸の姿— 2020年に向けて、神戸市は新しいステージに踏み出します —

STORY 1

起業家が集い、若返る神戸の中心部

新しくなりつつある神戸の玄関口、三宮。周辺にはITビジネスや神戸を代表する基幹産業の本社などが数多く集積している。神戸空港の機能が拡充され、グローバルに活動する多様な人々が行き交い、神戸の中心街になっている。国内外の若い起業家やその「卵」たちが集い、交流し、新たなビジネスが展開され、活気あふれる神戸の中心エリアに生まれ変わる。

  • 「革新」を生み出す新たな起業・創業、新規事業・創出支援の展開
  • 都心・三宮の再整備
  • 次代の基幹産業の育成・振興
STORY 2

若い力によって、生き生きとする下町

神戸の下町独特の人情や風情に魅力を感じ、移り住んできた若者達。地域に溶け込み、残された建物や家屋をリノベーションして、自分らしい仕事の拠点をつくり、ビジネスやコミュニティ活動の拠点にしている。防災福祉コミュニティに若い世代が参加し、高齢者も安心して暮らしている。若者が中心となって、新長田地区や市街地西部地域を中心に、下町ならではの活気あふれるまちづくりに生き生きと取り組んでいる。

  • 新長田地区の活性化
  • 市街地西部地域の活性化
  • 神戸の中小企業・商業事業者等の競争力強化
STORY 3

家族を育む新しい郊外

郊外の住宅地に、リノベーションした趣のある家に住む若い世代。結婚、出産、産後とも、家族や地域住民に見守られ、教育環境も恵まれている。子育てしながら仕事に就くことも可能な環境があるとともに、子育てを支援するコミュニティが街のいたることで生まれている。 若い家族が新しい郊外で安心して子育て・仕事ができるまち、神戸。

  • 妊娠・出産・子育てに切れ目のない支援
  • 教育環境の充実
  • 働き方改革の推進
  • 計画的開発団地(ニュータウン)のリノベーション
STORY 4

地産地消で盛り上がる里山暮らし

神戸市全域で盛り上がる地産地消の動き。新規就農した農家は、大切に育てた野菜を市内中心部で毎週行われているファーマーズマーケットや、新たにできた道の駅で販売に多忙な日々を送る。里山の建物を使った新たな農業関連産業も数多く始まり、神戸の美しい里山風景は、今や活気に満ちたみずみずしさにあふれる。

  • 「神戸里山暮らし」の推進
  • 「食都神戸2020構想」のさらなる推進
  • 新たな「道の駅」の整備・活用
STORY 5

安全・安心なくらし、顔の見える地域社会

高齢者が元気に暮らし、近所の人たちが常に顔を合わせる場や雰囲気がある。かつての震災経験から、自然災害に備えた強靭な行政機能、有事において地域が連携する共助の仕組みが根付いている。高齢者、若者、障がい者、外国人などあらゆる人が安全・安心に住み続けることができる街、それが神戸。

  • 健康寿命の延伸
  • 顔の見える地域社会づくりと支え合い活動の推進
  • 神戸医療産業都市の推進
STORY 6

世界と交流し、多様な人材が育つまち

日本中、世界中から訪れる旅行者が神戸にあふれている。そして神戸に魅了され長期滞在する人や移住する人が増え続けている。世界から人が出入りし、ビジネスや観光、文化・芸術・スポーツによる交流を通じて成長した多様な次世代人材が神戸から全国そして世界に羽ばたくようになっている。

  • 大学等の集積を生かした人材の育成・定着
  • 移住促進に向けた都市プロモーションの展開
  • 芸術・文化、スポーツの振興

神戸2020ビジョンの全体目標、指標及び進行管理年間12,000人の出生数を維持
若者の神戸市への転入を増やし、東京圏への転出超過 年間2,500人を解消

神戸2020ビジョンのテーマを「見える化」し、その達成度を測るために、「年間12,000人の出生数を維持」「若者の神戸市への転入を増やし、東京圏への転出超過 年間2,500人を解消」を全体目標として設定しました。この二つの全体目標を実現すれば、2020年には総人口は153万2千人になる見通しです。

また、社会経済情勢等の外部環境の変化が神戸2020ビジョンの施策に及ぼす影響を診断するとともに、全体目標の達成度と施策・事業の効果に関して、「若年世代の給与水準」、「道路交通における死傷事故率」、「渋滞における損失時間」「健康寿命」、「刑法犯罪件数」などの客観的な指標を用いて検証・評価していきます。

さらに全体目標を実現するため、神戸2020ビジョンの進行管理を行います。全体目標の達成度、施策・事業の効果の把握とともに、社会経済情勢等の外部環境の変化や全体目標等の分析を踏まえた施策の評価・検証を通じて、毎年度、施策・事業の見直しや改善を行い、神戸2020ビジョンを進化させます。